事例紹介救急車架装
2026.10.27
救急車架装
寄贈事例の概要
- お客様
- 原谷治美 様
- 導入先
- 熱海市消防本部 様
- 取材協力
- 原谷治美 様
- 導入車両
- 高規格救急車 パラメディック(愛称:HARUMIMI号)
救急車の寄贈式・配備式を経てHARUMIMI号がついに熱海の現場へ
熱海市消防本部へ寄贈した高規格救急車「HARUMIMI号」が完成し、2026年9月15日に寄贈式ならびに配備式が執り行われました。
2026年3月の熱海市役所での贈呈式、6月の中間検査・工場見学を経て、いよいよ熱海の街を走り始めます。
救急車の寄贈に込めた想い。愛犬と救急隊員への感謝が背中を押した
寄贈者と共に救急車の中間検査・工場見学を実施。熱海市初の電動ストレッチャー導入へ
寄贈のきっかけは、2025年2月に愛犬MIMIを亡くしたあと、自宅で転倒して熱海市の救急車で病院へ運んでいただいた経験でした。
「これまで受けた恩を、大好きな熱海に返したい」という想いが、ようやく形になりました。
寄贈式の様子は、SBS静岡放送のニュースで紹介されました。
「1人でも多く助けるお手伝いできれば」 熱海市の女性が救急車など寄贈 自宅で転倒、救急搬送の経験から=静岡・熱海市(TBS NEWS DIG)
※字幕が不要な場合は、プレーヤー上部の「CC」ボタンより字幕をオフにしてください。
※本プロジェクトは、静岡日産自動車が窓口となり、日産車体がベース車の開発・生産を担当、特装車メーカーであるオートワークス京都が日産高規格救急車 パラメディックの架装を担当しています。
この事例のポイント
-
寄贈式・配備式
多くの方の想いがつまった救急車「HARUMIMI号」を熱海市消防本部へ -
完成した救急車
MIMIの笑顔とともに熱海の街を走る一台に -
救命救急デモンストレーション
熱海市初の電動ストレッチャーで傷病者にも隊員にもやさしい搬送 -
取扱説明会
寄贈式・配備式当日から救急車「HARUMIMI号」を使いこなせるように
寄贈式・配備式
多くの方の想いがつまった救急車「HARUMIMI号」を熱海市消防本部へ
2026年9月15日の午前10時、熱海市消防本部で寄贈式ならびに配備式が執り行われました。
会場には齊藤栄市長をはじめ、市議会の皆さまなど多くの来賓の方々が並び、その向かいには30〜40人ほどの消防隊員の皆さんが整列されていました。
SBS静岡放送やテレビ静岡、熱海経済新聞など、6社以上の報道の方々も取材に来てくださり、想像していた以上に大勢の方に見守られての式典となりました。
式は、私の挨拶から始まりました。
「熱海市民、そして観光客の皆さまの命を一人でも多く助ける、救うことができる、そういうお手伝いができれば」そんな想いを、集まってくださった皆さまにお伝えしました。
HARUMIMI号がいち早く出動して、早く病院に運ばれ、良い治療を受けて、その人の人生がもっと明るく健康でいられる。
そのお手伝いができれば、私にとってこの上ない喜びです。
式では、私から齊藤市長へHARUMIMI号の大きなレプリカキーをお渡ししました。
3月の贈呈式でお渡しした目録は「これから形にする約束」でしたが、今回のキーは「約束が形になった証」です。
齊藤市長からは告辞の中で、「命の大切さ」、そして文化財保護や地域社会への貢献、動物愛護などを特徴とする「寄贈・寄付文化」をより広く社会に根付かせたいという私の想いに触れていただきました。
そのうえで、その想いに応えるため、消防職員一人ひとりが使命感と責任感を持ち、市民や観光客の安全・安心の確保にいっそう努めていくと述べてくださいました。
寄贈・寄付の文化を根付かせたいという想いは、私が今回の寄贈を決めたときから大切にしてきたものです。
その想いまで汲み取っていただけたことが、何よりうれしく感じました。
続いて赤尾光一市議会議長から祝辞をいただき、最後に轡田敏秀消防長が、隊員の皆さんとともに、新しい車両を活用して地域の安心・安全を守る決意と謝辞を述べてくださいました。
完成した救急車
MIMIの笑顔とともに熱海の街を走る一台に
完成したHARUMIMI号の車体には、熱海市のシンボルカラーであるブルーのラインが入っています。
消防本部の既存の救急車とそろえたデザインで、街を走る救急車の一台として自然になじむ姿に仕上げていただきました。
そして車体の3か所には、愛犬MIMIのイラストが描かれています。
中間検査のときにはまだ「イメージ」だったMIMIの笑顔が、実際に車体に描かれているのを見たときは、胸がいっぱいになりました。
寄贈させていただいた救急車の主な装備は次のとおりです。
- 熱海市初の電動ストレッチャー:ボタン一つで昇降でき、傷病者への振動を抑えながら隊員の負担を軽減
- 可変ビーコン(可変赤色灯):傷病者の収容時や住宅街、病院の敷地内などで光を弱められる赤色灯
- 運転支援・安全装備:コーナーセンサーや、歩行者との衝突回避を支援するインテリジェントエマージェンシーブレーキ、車両の周囲を確認できるアラウンドビューモニターなど
坂道や細い道の多い熱海の街でも、市民や観光客の皆さんの命をつなぐ一台として活躍してくれると信じています。
救命救急デモンストレーション
熱海市初の電動ストレッチャーで傷病者にも隊員にもやさしい搬送
式典の後には、消防隊員の皆さんによる救命救急デモンストレーションが行われました。
20分以上にわたって、実際の救急現場をそのまま再現していただき、傷病者のもとに駆けつけてから救急車へ収容するまでの一連の流れを、最初から最後まで見せてくださいました。
目の前で隊員の皆さんがきびきびと動く姿を見て、私が搬送されたあの日もこうして迅速に対応してくださったことに対し、感謝しています。
これまでの手動のストレッチャーでは、傷病者を乗せたストレッチャーを持ち上げたり、車内に積み込んだりする作業を、隊員の皆さんが人の力で行う必要がありました。
電動ストレッチャーは、こうした昇降や積み込みを電動でアシストしてくれるため、隊員の皆さんの体への負担が大きく減ります。
傷病者にとっても、搬送中の振動や揺れが抑えられるのは大きな安心です。
隊員の負担が減れば、そのぶん救命処置に集中しやすくなり、安全で円滑な救急活動にもつながります。
電動ストレッチャーは、もともとの仕様には含まれていない装備でした。
それでも、毎日のように現場で傷病者を運ぶ隊員の皆さんに、少しでも楽になってほしいという想いから、追加で載せていただくことにしました。
ボタン一つで滑らかに昇降し、迷いなく車内に収まっていく様子を見て、この装備を選んで本当によかったと心から思いました。
配備後、消防隊員の皆さんにお話を伺ったところ、「小回りが効くので運転しやすく、やはり何よりも電動ストレッチャーは腰に負担がないのでとても楽になった」という感想をいただきました。
「隊員の皆さんの負担を少しでも減らしたい」という想いが、実際の現場でも形になっていることを知り、改めて導入してよかったと感じています。
取扱説明会
寄贈式・配備式当日から救急車「HARUMIMI号」を使いこなせるように
実は、HARUMIMI号は寄贈式が終わったその日の13時から、さっそく配備されることになっていました。
そのため寄贈式の1週間前に、消防隊員の皆さんに向けた取扱説明会が行われていたと伺いました。
説明会には、日産車体 パラメディック担当者様と販売店の静岡日産自動車様、そして熱海市消防本部の隊員の皆さんが参加されたとのことでした。
初めて導入される電動ストレッチャーも、配備の初日から現場で使えるよう、隊員の皆さんがこの日から練習を重ねてくださったのだそうです。
当日のデモンストレーションがあれほどスムーズだったのも、こうした準備があってこそなのだと思います。
私の見えないところでも、多くの方が力を尽くしてくださっていたことに、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。
熱海市の救急出動は、年間でおよそ3,800件にのぼるそうです。
HARUMIMI号がその一つひとつの現場に駆けつけ、一人でも多くの大切な命を救うお手伝いができれば、これほどうれしいことはありません。
MIMIの笑顔とともに、これからも熱海の街を走り続けてくれることを願っています。
オートワークス京都より
3月の贈呈式から半年。
中間検査や工場見学を経て、完成したHARUMIMI号が寄贈式でお披露目され、その日の午後からさっそく運用が始まったことを、大変うれしく思っています。
車体に描かれたMIMIちゃんのイラストや熱海市のシンボルカラーのラインには、原谷様の想いと、熱海市消防本部様の救急車としての役割の両方を込めて、一つひとつ丁寧に仕上げました。
熱海市初となる電動ストレッチャーは、標準の仕様には含まれない高額な装備ですが、「隊員の皆さんに少しでも楽になってほしい」という原谷様のご厚意により、追加で搭載することができました。
個人の方からのご寄贈という、私たちにとっても特別なプロジェクトを、静岡日産自動車、日産車体をはじめ多くの関係者の皆さまと力を合わせて形にできたことは、かけがえのない経験となりました。
HARUMIMI号が、熱海市民や観光客の皆さまの命を支える一台として長く活躍すること、そして原谷様の想いが「寄贈・寄付文化」の輪として全国へ広がっていくことを願っています。
私たちもこの経験を生かし、今後も救急救命の現場を支える車両づくりに取り組んでまいります。






